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視座について

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視座 is

しばしば視座が高い・低いというが、それはなんなのかを考えることにした。
  • 視座とは、物事をどの立場から、どのような視野で、どのような側面に着目して捉えるかという、個人の根源的な「ものの見方」や「世界の捉え方」である。
  • この視座は、我々が何かを認識し、行動を起こす際の内面・根底にある前提として機能する。
視座というものは、しばしば高い・低いといった表現がなされる。どのような立場からものをみるかによって、思考の幅や深さが規定されるということである。 視座を表現する時、さまざまなアナロジーを適用することができる。
  • 個人- 組織
  • 施策 - 戦略
  • 表層 - コンセプト
  • 短期 - 長期
  • 具象 - 抽象
  • 既知 - 未知
  • 単純 - 複雑

4つのモード

少し考えてみると、視座というものにはFrom -> Toが存在する。 ここでは、「個人」と、個人を取り巻く「組織」の例を用いて整理する。
  1. 個人 → 個人(自己認識の様式): これが最も基礎的な視座であり、自分自身の内面(感情、思考、価値観、能力など)をどのように捉え、向き合っているか。この自己認識が、あらゆる思考や行動の出発点となる。
  1. 個人 → 組織(組織への意味づけと関与の様式): これは、個人が所属する組織に対して、どのような意味を見出し、どのようなスタンスで関わろうとしているか。組織の目的をどう解釈し、自身がどう貢献できる(あるいはすべき)と考え、組織の現状に対してどのような問題意識や変革の意志を持つか。
  1. 組織 → 個人(役割期待と影響受容の様式): 次に、自分が所属する組織(チーム、会社など)から、個人としてどのような影響(期待、ルール、文化、評価など)を受け、それをどう解釈し、自己に位置づけているか。組織内での自分の役割をどう認識し、組織文化をどう読み解き、外部からのフィードバックをどう受け止めるかに関わる。
  1. 組織 → 組織/社会・環境(システム間関係性の認識様式): 自組織と他の組織(競合、協業先など)との関係性や、自組織を取り巻くより大きな社会・経済・システム全体をどのように認識しているか。これは、他者 - 他者のような、invisible / uncontrollableな領域を想像できるかという話となり、複雑性が高い。
一般的に、対象とする範囲が「個人」から「組織」、そして「社会・環境」へと広がり、関係性が複雑になる。 「個人→個人」の視座は誰もがもつプリミティブな視点であるが、この様式で深みをもつことはそれはそれで難しい。ただ、往々にして視座が低いということは、個人→個人で完結しているということである。

認識・思考・行動

上記の視座なるものの現れ方は、認識・思考・行動どのレベルで発現するかで評価できる。
  • 認識: どのような視座(ものの見方、価値観、メンタルモデル)を持っているかによって、同じ事象に接しても、まず「何に気づき、それをどう捉えるか(認識)」が大きく変わってくる。
  • 思考: 初期の認識をベースに、「それをどう解釈し、どんな意味を見出し、何を問題とし、どのような解決策を考えるか(思考)」というプロセスが展開される。
  • 行動: 最終的に、その思考の結果として、「具体的にどのような行動を選択し、実行するか(行動)」が決まる。ここには、行動を実行する能力や、それを可能たらしめる状況を認識する能力など、複数の変数が関連する。
上記は、視座の再現性ある発現の前提となる。例えば、ある視座で思考できることが再現性をもつには、認識ができる必要がある。再現性を考慮しなければ、思考できていなくても「個人→組織にむけた行動」は発生する可能性がある。

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